2014年4月13日日曜日

たかお部長の来宅

「お母さん、今日だよね。お母さんの彼氏来るの。」
『ええ、そうよ。 たぶん夕方になると思うわ。』
「楽しみだなぁ、お母さんの彼氏ってどんな人かなぁ。 マイを気に入ってくれたら嬉しいな。」
『マイがそんな風に思ってくれてるんだったら、お母さん嬉しいわ。』
「だって、お母さんの彼氏だったら、私にとってはお父さんみたいなもんだもの。」
『でも、その方とはお母さん結婚はできないのよ。』
「いいよ。結婚なんかしなくても、私にはお父さんと同じだから。」
『マイは、そんなにお父さんが欲しかったの。ごめんね。』

「お母さん、何してるの?」
『お食事の用意してるのよ。今日はご馳走だよ。』
「その人が来るから?」
『そうよ。ビフカツだよ。』
「わ~っ、嬉しいな。 毎日来ればいいのに。」
『何言ってるのよ。マイも手伝って頂戴。』
「は~い。」

・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・

夕方になって、チャイムが鳴る音が聞こました。
「は~い。」 マイがいち早くインターフォンに応え、ドアを開ける。
「こんにちは。あ、いや、こんばんは。かな?お邪魔します。 君がマイちゃん?」
「いらっしゃい。」愛想よくマイが応対している。
「これお土産だよ。」と紙袋を手渡されると、「ありがとう。開けてもいい?お母さん。」
『お行儀悪いわよ。 後でね。』、「ケーキですよ。」、「わ~、ケーキだって、嬉しいな。」
『すみません、お気遣い戴いて。まぁ、狭いところですけど上がってください。』
「おじゃまします。」と言う部長をリビングのソファに案内しました。
横にマイが座り、一生懸命に自分のことを話し、部長は優しくそれを聞き、時々質問しておられました。
『マイ、お料理をテーブルに運んで頂戴。』、「は~い。」と普段になく良い子のマイに驚きました。

『さぁ、食事にしましょう。』と、3人で食卓につきました。 たかお部長にビールを勧めながら、『いつもマイと二人だけの食事ですから、寂しいんですよ。』、「マイちゃんも、賑やかな食事の方が楽しいかな?」、「勿論です。いつもお母さんに、お父さんが欲しいって困らしてるんです。」、「そんなこと言ったら、お母さんが可哀想だよ。」

・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ いつになく、賑やかで楽しい食事となった。

食事も終わり、紅茶をいれて、お土産のケーキを皆で味わった。 マイが、「毎日こんな風だったら嬉しいなぁ。」と言う。 堪らず、『そんなの無理よ。』と言うと、「おじさん、時々来てください。マイは大歓迎だから。」と結構たかお部長を気に入った様子だった。

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